フォトフェイシャル(IPL光治療)の効果は?
高める方法やレーザー治療との違いを解説
コラム12

目次
シミやたるみ、毛穴などの肌トラブルは鏡を見るたびに目についてしまい、ついついため息をついてしまう方もいるでしょう。 そんなシミやたるみなどの改善効果が期待できる美容治療の1つがフォトフェイシャル(IPL光治療)です。 しかし、シミやたるみの改善以外にどういった効果があるのか、詳しく知っている方は少ないかもしれません。
この記事では、フォトフェイシャルの効果や高める方法、レーザー治療との違いを解説します。 肌トラブルに悩んでいる方、フォトフェイシャルに興味がある方はぜひ参考にしてください。
- フォトフェイシャル(IPL光治療)とは?
- フォトフェイシャルに期待できる効果
- フォトフェイシャルの効果を高める方法
- フォトフェイシャルの効果はいつ頃感じられる?
- フォトフェイシャルとレーザー治療の違い
- まとめ
フォトフェイシャル(IPL光治療)とは?

IPL光治療とは、Intense Pulsed Light(強力パルス光)と呼ばれる特殊な光を肌に照射し、肌トラブルの改善を目指す施術方法です。
フォトフェイシャルと呼ばれることもありますが、フォトフェイシャルは治療名であり、厳密にはIPL光治療のなかの一つです。
光が肌トラブルの原因となるメラニンや毛細血管に当たることで光エネルギーが吸収され、熱に代わることでダメージを与えます。
光は肌トラブルの原因にのみ反応するため、周囲の組織へのダメージは抑えられます。
また、機械のなかには赤外線領域の光も含まれており、線維芽細胞の活性化を促すことで美肌を作り上げることもできます。
レーザー治療のように強い光を当てない、マイルドな光治療のため、痛みやダウンタイムが少ない点が特徴です。
ダウンタイムが少ないため施術直後にメイクができる場合もあり、施術時間も15~20分と短く気軽に受けられる美肌治療です。
フォトフェイシャルに期待できる効果

フォトフェイシャルに期待できる効果は7つあります。
それぞれどういった効果が期待できるのか、くわしく解説していきます。
シミ・そばかすの改善
フォトフェイシャルでは、シミ・そばかすなどの原因であるメラニンに作用するため、改善効果が期待できます。
フォトフェイシャルの光から発生した熱で破壊・分解されたメラニンは数日かけて肌表面に浮き上がり、肌の新陳代謝(ターンオーバー)により徐々に剥がれ落ちます。 定期的にフォトフェイシャルを受けることでメラニンの排出だけではなく生成抑制の効果も期待できるため、シミの予防も可能です。
たるみ・小じわの改善
加齢によるたるみや小じわの原因は肌を支えるコラーゲンやエラスチンなどの減少が原因です。
フォトフェイシャルの光は真皮層まで届くため、コラーゲンやエラスチンなどの生成を担う線維芽細胞を活性化し、たるみや小じわに効果があるとされています。
また、フォトフェイシャルを行うことでターンオーバーの正常化も期待できます。 そのため、たるみや小じわが改善されハリのある肌を目指せるでしょう。
毛穴
皮脂の過剰分泌や加齢による肌のたるみが原因の毛穴の開きはフォトフェイシャルを受けることで、毛穴を引き締める効果が期待できます。
また、毛穴の開きだけでなく毛穴の黒ずみにも効果があり、フォトフェイシャルは毛穴トラブルに効果的といえるでしょう。
肌の弾力アップ
「たるみ・小じわの改善」でも触れましたがフォトフェイシャルの光は真皮層にまで届き、線維芽細胞を活性化させることでコラーゲンやエラスチンの生成を促進させます。
その結果、肌の弾力アップ効果が期待できます。 また、肌の弾力がアップすることで、肌のトーンが上がったり透明感が出たりといった効果も期待できるでしょう。
ほうれい線
ほうれい線は加齢と共にコラーゲンと弾力性が減少することで目立つシワの1つです。
そのため、フォトフェイシャルでコラーゲンの生成を促進することで肌質を向上させ、ほうれい線を目立たなくさせる効果が期待できます。
ドライアイ
フォトフェイシャルといえば肌悩みを改善するための美容治療といったイメージがあるかもしれませんが、ドライアイ治療に用いられることもあります。
ドライアイになる原因はさまざまですが、フォトフェイシャルで治療できるのはまぶたにあるマイボーム腺機能不全が原因のドライアイです。
フォトフェイシャルの効果を高める方法

もちろんフォトフェイシャル単体でも効果は実感できますが、より効果を高める方法もあります。
ここでは、フォトフェイシャルの効果を高めたい方に向けて5つの方法を解説します。
定期的に施術を受ける
改善したい肌悩みや個人差はありますが、1回のフォトフェイシャルよりも定期的に施術を受けることでより効果を実感できるようになります。
施術を受ける頻度や回数は担当医と相談して決める必要がありますが、理想は3~4週間に1回の頻度で4~5回程度です。 1回の施術でも効果を実感できることもありますが、その効果はあくまでも限定的なものです。 より高い効果を継続して得たい場合は、定期的に施術を受けるようにしましょう。
内服薬・外用薬を併用する
得たい効果によっては、内服薬や外用薬を併用することでよりフォトフェイシャルの効果を実感できます。
美白効果を高めたい場合はビタミンC・Eやトラネキサム酸が含まれた内服薬やビタミンC誘導体入りやハイドロキノンが含まれた外用薬を処方されることがあります。 内服薬や外用薬はアレルギーや妊娠の有無などで使用できない成分もあるため、フォトフェイシャルの効果を高めるために自己判断での使用はしないようにしましょう。 使用したい場合は、フォトフェイシャルを受けた病院に相談して、適切な成分のものを処方してもらいましょう。
医療(美容)クリニックで施術を受ける
より効果の高いフォトフェイシャルを受けたい場合はエステサロンではなく、医療(美容)クリニックで施術を受けるようにしましょう。
フォトフェイシャルは商標登録されたものであり、本来は医療機関でのみ提供されている施術方法です。 最近はエステサロンにも「フォトフェイシャル」ができると記載のある場合がありますが、正確にはフォトフェイシャル以外の光治療です。 エステサロンのフォトフェイシャルは照射パワーが弱く、思った効果が実感できなかったり、効果が出るまでに時間がかかったりします。 高い効果を得たい場合は医療(美容)クリニックを受診するようにしましょう。
医療(美容)クリニックとエステサロンの違い
医療(美容)クリニックとエステサロンはどちらも肌をきれいにしたり痩せたり、美容目的に通う場所ではありますが、明確な違いがあります。
詳細な違いは以下のとおりです。
| 医療(美容)クリニック | エステサロン | |
|---|---|---|
| 医療行為 | 可能 | 不可 |
| 施術の安全性 | 安全性が高く効果の高い治療が可能 | 痛みや副作用がなくマイルドな施術が可能 |
| 使用する薬剤や機器 | 医療機関でのみ使用できる薬剤や機器の使用が可能 | 医療機器や薬剤の使用はできない |
| 施術後のケア | 施術後のケアやより専門的なアドバイスなどトータルケアが可能 | 基本的なアフターケアやホームケアのアドバイスがもらえる |
医療(美容)クリニックとエステサロンのどちらがよいかは施術目的や予算によって異なります。
ただ、フォトフェイシャルを希望する場合は医療(美容)クリニックを受診するようにしましょう。
施術前後は紫外線対策を徹底する
フォトフェイシャルの施術前後は普段以上に紫外線対策を徹底するようにしましょう。
施術前に日焼けをして肌が黒くなってしまうと、フォトフェイシャルの光が施術したい部分以外の正常な部分にも反応して火傷や色素沈着になる可能性があります。 施術後は肌が普段以上に敏感になっており、紫外線に晒されることでシミが濃くなってしまったり目立ってしまったりします。 そのため、最低でもフォトフェイシャルの前後1ヶ月は紫外線対策を徹底するように意識してみましょう。
スキンケアの徹底
施術後の肌はダメージを受け、乾燥しており肌バリアが低下している状態です。
日々行っているスキンケアのなかでも特に保湿は重点的に行うようにしましょう。
まずは化粧水でしっかりと保湿し、乳液やクリームで水分が蒸発しないように蓋をします。 この時に使用するスキンケア用品はアルコールや界面活性剤が含まれていない刺激の少ないものを選びましょう。
フォトフェイシャルの効果はいつ頃感じられる?

フォトフェイシャルの効果の感じ方は個人差がありますが、施術後すぐに実感できない場合もあります。
ここでは、施術時間や効果を感じるタイミング、メンテナンスについて解説します。
施術時間
フォトフェイシャルの1回あたりの施術時間は、施術範囲や箇所によっても変わりますが顔全体で10~30分程度です。
肌の診察などがあれば、診察時間も併せて1時間程度かかる場合もあります。
5~6回の施術で効果を感じられる
基本的には5~6回程度の施術で効果が実感できるようになります。
施術の間隔は3~4週に1回のため、4~5回の施術を受けるには半年~1年程度かかります。 しかし、薄いシミやそばかすであれば1回の施術で効果を感じられることもあるため、詳しい回数や施術頻度は担当医師と相談して決めるのがおすすめです。
メンテナンス時期
フォトフェイシャルの効果は、肌の状態・生活習慣・施術回数などによって変わりますが、一般的には数ヶ月~1年以上です。
そのため、フォトフェイシャルの効果を長持ちさせるためにメンテナンスを行う場合は半年~1年ごとに施術を受けるようにしましょう。
また、フォトフェイシャルの効果持続期間も個人差が大きいため、肌の状態を診察してもらい、担当医師と相談するとよいでしょう。
フォトフェイシャルとレーザー治療の違い

フォトフェイシャルと似た治療方法にレーザー治療があります。
シミやたるみの改善をしたい方のなかにはフォトフェイシャルかレーザー治療か迷っている方もいるでしょう。
ここでは、それぞれの違いについて解説します。
ぜひ、治療方法を決める参考にしてくださいね。
照射波長
照射波長とは、光の波の長さのことであり、皮膚表面には短い波長が届き、皮膚の深くまで到達するのは長い波長とされています。
フォトフェイシャルではIPLと呼ばれる光を使用しておりさまざまな種類の光を持ち合わせている点が特徴です。
一方でレーザー治療では、機器によって特定の波長を使用して皮膚の深さや色素にピンポイントで作用させます。 そのため、フォトフェイシャルはさまざまな肌悩みに対して効果がありますが、レーザー治療ではシミや毛穴など1つのトラブルに対して集中的な効果が期待できます。
照射時間
照射時間はパルス幅とも呼ばれ、パルス幅が長ければ光やレーザーが広く浅くアプローチして、短ければ深く狭くアプローチできます。
フォトフェイシャルはパルス幅が長い点が特徴で逆にレーザー治療はパルス幅が短い点が特徴です。
そのため、フォトフェイシャルでは顔全体の施術が可能で効果は比較的マイルドですが、レーザー治療はピンポイントで深い部分への効果が期待できます。
対応可能な症状
フォトフェイシャルとレーザー治療それぞれで対応可能な症状が異なります。
フォトフェイシャルは、顔全体のシミ・そばかす・ニキビ・色ムラなど幅広い症状への対応が可能です。
また、コラーゲン生成を促進したり、肌の弾力やハリをアップさせたり維持させる効果も期待できます。
一方でレーザー治療はシミや血管腫など特定の症状に対して効果が期待できます。
施術回数
フォトフェイシャルは基本的に複数回の施術が必要ですが、レーザー治療は1回の施術で効果が実感できます。
しかし、どちらも改善したい症状や肌の状態によって施術回数は変動します。 詳しい施術回数について、カウンセリングで確認しておきましょう。
痛みの強さ
痛みの感じ方は個人差が大きい部分ではありますが、レーザー治療よりもフォトフェイシャルの方が施術時の痛みは弱いです。
フォトフェイシャルではひりひりとした痛みを感じ、レーザー治療では輪ゴムをはじいたようなぴりぴりとした痛みを感じることがあります。 どちらも希望すれば麻酔を使用してもらえますが、多くは麻酔の必要ない程度の痛みです。
ダウンタイム
ダウンタイムに関しては、フォトフェイシャルもレーザー治療も短く、赤みや痛みに関しては1~2日程度で治まる場合がほとんどです。
違いとしては、フォトフェイシャルの方はシミやそばかすがかさぶたになることがあり、かさぶたになると自然にはがれるまで1週間程度かかります。 どちらも施術後は肌が敏感になっているため、保湿ケアはしっかり行うようにしましょう。
まとめ
この記事では、フォトフェイシャル(IPL光治療)の効果や高める方法、レーザー治療との違いを解説しました。 フォトフェイシャルに期待できる効果はシミ・そばかすなどの改善やほうれい線、ドライアイの改善などさまざまです。 より効果を高めたい場合は、定期的に施術を受けたり内服薬・外用薬を併用したりするとよいでしょう。
わたなべ皮膚科は、一般皮膚科と美容皮膚科の両方に対応しており、皮膚のお悩みはなんでも相談できる場所です。 美容皮膚科では、シミ取りを希望する方にはIPL光治療(フォトフェイシャル)やデルマトロンなどの施術が受けられます。 皮膚について少しでも気になる点や悩みがあればぜひ一度ご相談ください。
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